一年前に癌になった話  その4

抗がん剤投与のため、一週間の入院。

体調の変化もなく、先生の回診の時間以外は、喫煙所に降りていって一服して、院内の本を読んで、時間が目一杯あるので、階段を登ったり降りたり。


ゴハンは食堂で食べるので、だいたい同じテーブルのメンバーが決まってくるもので、いつも私の前に座る50歳くらいのWさんは、印象的でした。


「私はね、癌って聞いたとき、すごくショックでね、もう死ぬんだって思ったのよ。」

みんな同じ病気でここに来てるのに、そんなこと言うんじゃないよ!

と、ほかの入院患者さんに怒られる。
でも気にしてない、というか、聞こえてない。もとい、聞く気がナイ。


「このまま癌が悪化して死んじゃうんだって思ったから、ここに来る前に部屋のものを全部処分してね、ベッドとか、化粧台とか、洋服とか、全部捨てたのよ。」


断捨離ってやつですね。
スゴイ。

悲壮感満載のWさんに対して、自覚のない私。えーだって治しにきてんだから治るよ~。みたいな。乳癌とか、切れば治るらしいじゃん。

こーゆー人に、『大丈夫』という言葉を使ってはイケナイ。

うっかり"ダイジョブだよ~"と言ってしまい、相手も、あなたには解らないわよ、いや、同じ病気だから解るか、とかグルグル考えながら、無神経ねっ!とか言われたりして。ホホホ。

この人は、手術が先で、切ったとこが痛いとか、手が上がらないとか、私の人生もここまでねとか、毎日そんなことばっかり朝から晩までのたまっていた。

しかし、ヒマヒマ言ってゴロゴロしてた私にも、ついに副作用がやってきた。


抗がん剤投与から5日目。


お腹が痛い。


便秘になる人いるけど大丈夫?とかナースさんに言われてたけど、何か逆みたいです。


ヤベェ、何食べてもヤベェ。
でももうすぐ退院だし。
いや、大丈夫です。とかいってみたりして。


これから退院したあと、3週間に1回を5セット、抗がん剤投与のため通院する。仕事にいきながらみんな通ってるよ~とか先生は言っていたので、たいした副作用ないんだ、と思い込むことにしていた。
急に生活習慣変わったから、お腹がついていかないのかなぁ、参ったな、とかナメてかかっていた。